1984
オーウェルの1984年をいまさらながら読みました。この本のことを単なる監視社会の本---たとえばソビエトスパイ小説のような---だと思っていたら大きな間違いだったんですね。
これは完璧なディストピアを描く小説で、監視され、行動が思想が統制されるのみならず、記憶や言語や思考そのものまでもがコントロールされる悪夢を描いています。ここにいたる道のりはなんなのか。
ソビエトやナチスや北朝鮮や旧日本帝国は軍事力をもってコントロールを成し遂げたわけです。これはSFでも昔話でもなく、船でたった数時間の隣国で実際に起きている物語として読まねばならないのですね。根本が軍事力にあるとしても、それをここまで完璧にコントロールする力はなんなのか、その本質が問われます。
Posted by arai at June 12, 2004 03:30 AM