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March 22, 2005消費者金融の意義「ハッカーと画家」を読んで。 人々はなにを求めて消費者金融(クレジット分割払い等を含む)を利用するのでしょうか。私の直接の知人には利用経験のある人がいないようなので、ここでは経済・社会的な推測を試みることにします。経済・金融は全くの素人なので、間違いだらけかとは思います。随時ご指摘頂ければ幸いです。 人が資金の借り入れをするときには、1. 時間的なシフト 2. 量的なシフト などの効果を求めているはずです。 (1) 時間的なシフトとは、すなわち収益活動によって資金を調達するよりも早く資金を得ることで、適切な時期に資金を得ることができ、それにより便益を得ることです。住宅ローンの借り入れであれば、貯蓄をして住宅を買うよりも、早期に住宅を買うことでより多くの利益が得られることを期待します。消費者金融であれば、直近に必要な出費(医療費や事故事件の被害など)をまかなうことが考えられます。 (2) 量的なシフトとは、より多くの資金を得ることで、より多くの利益が得られることを期待するものです。考えにくいですが、高い車にのって素晴らしい配偶者を獲得する、高い服を着ることで良い職を獲得するなどの投資は可能です。公共的な学資貸付でカバーされない学費などにあてるということもありえますが、返済期限や利率などを考えると困難でしょう。 消費者金融連絡会 研究レポート 「消費者金融の経済的意義」では、消費の時間的選択を広げる意義があると書いています。やむを得ず、引っ越さなければならないが、お金が無い。急に病気をしたが、お金がない。そんなときには借金せざるをえません。 しかし「消費の時間的選択を広げる」という言葉には、より緊急性の低い支出のために借り入れをすることが示唆されているように思います。緊急性の低い支出のために借り入れをするような状態であれば、頻繁に借り入れ超過を起こしているということになります。恒常的に借り入れ超過であるような家計が、正常な機能を保つことができるでしょうか。また、緊急性の低い借り入れは、利息を上回る利益を生じるでしょうか。 さて、核心に入ります。 消費者金融の利用モデルとして二つの可能性を考えてみます。A. 緊急性の高い支出にたいして借り入れをする B. 緊急性の低い支出にたいして借り入れをする Aについては、緊急性の高い支出に対しての貸し出しは公共セクターが行うべきだという批判がなりたちます。返済可能性によって審査し、収益事業として行うのは、一見すると健全なように見えます。しかし、病気で職を失った場合などには機能しないなど、セーフティネットとはなりえません。 もちろん公共セクターは、うまく働かない場合が多いので、それより収益事業のほうがマシであるとも考えられます。 Bはよりややこしいところです。人は一定の貯蓄があれば柔軟かつ安全に暮らすことができます。貯蓄のない家計はきわめて危険であり、破綻寸前といっても過言ではないでしょう。治安維持と生産性向上のためには貯蓄率向上が欠かせないかもしれません(言いすぎ?)。短期かつ高利の貸付が有意義に働くことは少ないように思います。 となるとBによる貸付は、顧客や社会の利益を害するものであり、社会悪であるということができます。不必要な借り入れは道徳的に悪であるだけでなく、経済的合理性にも反しているとの仮定の上ではありますが。社会悪を禁止する宗教国家において、金貸しを禁止しようという精神にも一理あるのかもしれません。 シンガポールでは、給与の一部を強制的に積み立てさせられるそうです。住宅購入などの計画的出費のときにしかおろせないのだとか。社会保険の個人版ですね。さすがasian values、くすっ。 しかし、日本は(いちおう)自由国家です。人には愚行権というものもあります。やはり消費者金融を排斥するのもやりすぎでしょう。もし社会悪が排斥されるなら、アルコール、タバコ、ギャンブルなど、さきに排斥されるべきものもありますしね:P とはいえ、たまにテレビジョンなどを見る機会があると、「レジャーや日常の買い物に借金をしましょう」という広告がひっきりなしに流れているじゃないですか。顧客にたいして損をするような広告を打つことは、許されるべき商習慣でしょうか? 顧客に重大な危険や損失を与えるような判断を醸成する広告は許されるべきではないと思います。タバコ、アルコール、ギャンブルもそうです。個人の自己破産が年間20万件以上もあるような現状では、借金は重大な危険といわざるをえないでしょう。貸倒償却率なども高率にのぼっており、破綻する事例が多いことを示唆しています。 ただ、問題の本質は、金貸しでも、その広告にあるのでもありません。個人の家計運営などにこそ本質があるのでしょう。企業の投資戦略などは研究の対象となりますが、個人の投資戦略などはちっとも研究されてないような気がします。これだけ破産者が多いことを考えると、なんらかのパターナリズムが必要なのかもしれませんが.... 追記: この議論では「消費者金融業の意義」から見ているので、色々な重要な点が抜け落ちてるようにも思います。まず、人の家計が破綻するのは「借金があるから」ではなく、「貯金(正確には手元流動性資金)が少ないから」ですね。消費者金融は貯金をマイナスというゾーンに叩き込むためのツールでしかないのは留意しておくべきです。 プロの金融業がなくなれば、人は支払いを滞らせ、ツケで飲み食いするだけかもしれません。金がなくなれば借金するまでもなくホームレスになってしまうかもしれません。だから、せいぜい利息分の違いしかないということもできます。結局は消費傾向の問題なのでしょうか? ただ、まあ、金を借りることがプラスになることはあまりないんじゃないか、という結論はかわらないですかね。あと「レジャーのために借金せよ」という広告宣伝はあまりにひどいということも。 Comments
決済の機能は含まれる? Posted by: さ on March 23, 2005 01:26 PMいえ、決済の機能は含んでいません。 カードローンが主な収入源であるクレジットカード会社も、愚行権の行使を助けることによって存在しているという意味では消費者金融と同じ効果だと思うけどどうか。 個人家計に対する影響はともかく、経済全体から見ると個人消費を伸ばす素晴らしい社会貢献度だとは思います:) Posted by: metys on March 24, 2005 09:14 PMはい、いちおう先頭のほうで「クレジットも含む」と書いてます^^ 「リボ払い専用カード」とかある世の中が怖い私です。 あ、ほんとだ。スマヌ。 家計破綻が増えて一番困るのは消費者金融業者やクレカ屋なので、その辺を最もよく研究してるのは彼らなんでしょうね:) Posted by: metys on March 25, 2005 10:01 AMアメリカのクレジットカードだと、基本的にリボルビング払いというか一回払いの概念がないというのを初めて聞いた時は非常に驚きました。請求書が来て自分がその月に支払う額の小切手を送付する。差額が残れば金利がかかります。残高によっても代わるけど仮にminimum paymentが20ドルだったとして、400ドルの借金を支払うまでに何ヶ月かかるか。そういう事例が非常に多いので、カリフォルニアは、カード会社が「最低金額での支払いを続けた場合、今の負債を完済するにはあと20年7ヶ月かかります」と明記することを義務付けた法律を可決したらしい。借金大国アメリカは遥かに深刻な状況にあります。 Posted by: yonemako on April 2, 2005 08:04 AMそうらしいですね。銀行振替がないと、いちいち小切手で面倒だからと放っておき金利で泣く自分が目に浮かびます。 こちらのエントリに刺激を受けて、自分のブログでもエントリを上げてみました。 コメントありがとうございます。 住宅ローンの返済に 銀行が貸しぶりをするから 消費者金融の比較サイトを運営しています。 Post a comment
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