April 30, 2004

ふりがなをカタカナで入力させる愚

個人情報を入力させるウェブサイトの多くが、ふりがなをカタカナで入力させようとします。ひどいところだと、ひらがなを使うとエラーにしたりします。こういう設計をする技術者には知能がないと言っても過言ではないでしょう。最低の技術者だけが、カタカナを強制したり、パスワードリマインダーを採用したりすることができます。

ご存知のとおり、Windowsの入力メソッドは標準がひらがな入力であって、カタカナに変換するためにはより多くの入力の手間が必要になります。のみならず、へんな学習をされてしまったばあい、次回から自分の名前を入力するとカタカナが第一候補にあがるという最悪に不愉快な状況を巻き起こします。

まず文字種をチェックできる能力があるのなら、文字種などは自由にして、内部で変換をするようにすべきなのは当然です。仮にそれが面倒だとしても、「ひらがな」を入力させるようにすればずっと使いやすくなるのは明白なのに、それを思いつかないとは何たる愚かさ。どうしてよりにもよってカタカナを入れさせようとするんでしょうね?

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April 28, 2004

よりよい投票が実現できる!

以前の記事では、投票方式に色々な方式があり、一長一短があることに少しだけ触れました。けれど最新の日経サイエンス2004年6月号の論文「だれからも文句のでない投票方式」(P. Dasgupta, E. Maskin, pp.60-66) によれば、「真の多数決方式」が最も優れた投票方式であることの説明が行われています。

真の多数決方式とは、全ての候補に1からnまで選好順位をつけます。その後、全ての候補同士を1対1で比較し、より選好する人が多い候補を勝者とします。全ての候補にたいして勝利した候補が投票の勝者として選ばれます。

この方法の利点は、良い投票方式の4原則のうち、パレート原理(全員がBよりAを高く評価している場合、Bが選出されてはならない)、匿名性の原則(投票者の立場に関わらず一人一票の価値)、中立性(候補者AとBのどちらが選ばれるかが、候補者Cに対する選好に左右されてはならない)の3原則が守られることです。

とくに中立性の原則が重要であり、これによって票の分裂などといった問題によって誤った候補が選ばれることがなくなります。決選投票方式によって2002年のフランス大統領選挙で起こったような番狂わせも起こらなくなります。

論文では、本方式が推移性の原則を満たしていないことによる問題(コンドルセの逆理)などについても触れています。しかし、それは応用で解決可能であるようです。

これは重大なことですね。投票方式をずっとよりよいものにする簡単な方式がずっとそこにあったなんて。この方式がスタンダードとなる日を切に願います。

この論文では二つ以上の候補を選出する場合について書いていないけれど、最良の一つを選んだあと、その候補を取り除いて単純に集計しなおせば望ましい結果がでるような気がする。いや、確かめていませんけど。

ところで今号の日経サイエンスは久しぶりにめちゃくちゃ面白かった。「ドラッグに翻弄される脳」は、日本語の一般向け情報としては(たぶん)初めて、ドラッグが精神依存をおこすメカニズムについて踏み込んだ新しい知見を提供している。医学生理学精神医学に興味のある人は必見。「収容所で生まれた世界初のポケット計算機」も素晴らしい技術史の文章で、計算マシンにとくに思い入れのない私も引き込まれるように読んだ。これら三つどれをとっても、背筋がぞくぞくするような興奮ものの論文です。いやあ、こういうときは本当に購読してて良かったと思う。二日酔いなのにあっというまに読んでしまった。

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April 26, 2004

葉わさびの醤油漬け

まずは葉わさびを入手します。葉っぱが多いのがグッドです。まずは100gから200gくらいが適量かな。大きなスーパーや百貨店で買えます。北九州だと小倉伊勢丹にありますね。東京でもクイーンズ伊勢丹とかにおいてあるかな。(花わさびと書いて売っていることも)

1・葉わさびは水洗いして、根もとに近い部分を手でちぎりとるか、包丁で切る。
2・塩をやや多めにふって良くもむ。
3・熱いお茶(85〜90度)をたっぷりかける。(ただの熱湯でも可)
4・布きんで包み、包丁の背で良くたたき、しぼる。(直接たたいてもいい)
5・密封出来る容器に入れる。醤油、酒を入れしっかり蓋をして2〜3時間で出来上がり。
(味見をして調節してください。あまり醤油が多すぎないほうがいいですが... 1:3くらいかな?)
6・完成したあと、だんだん味が濃くなるので、葉っぱ類から食べていきます。くきはよくつかってからがおいしいです。

ぴりっと辛くて、とてもおいしいです。껫잎장아찌(えごまの葉の醤油漬け)に少しにてます。僕の好物の一つです。ぜひぜひ一度作ってみてください。

Posted by arai at 11:29 PM | Comments (0)

April 25, 2004

TA Signal Processings

私の叔父がTAシグナル・プロセッシングスという会社を作りました。デジタル信号処理とデジタルフィルタの技術開発をする企業のようです。デジタル信号処理のコラムなども載っているので、ご興味のあるかたはウェブサイトを覗いてみてください。

私の信号情報処理(音楽など)とあわせれば、より難しい問題にもチャレンジすることができるかもしれません。面白いネタやご意見があれば、お気軽に一声かけてください。

Posted by arai at 11:58 PM | Comments (0)

April 22, 2004

日経サイエンスを読もう!

ぼくは13歳のころからずっと日経サイエンスを読んでいます。この雑誌は本当に素晴らしくて、新しい科学のまともな記事を載せながら、予備知識の全く無い人でも読めるような記事ばかりです。美しくて引き込まれるようなイラストだけでも見る価値があります。

幅広い内容について最新の知見が得られるのは創造の刺激になるだけではなく、物事を多様な観点からみることを教えてくれます。もちろん体系的な知識が得られるわけではありませんが、学習の取っ掛かりとしても優れているとおもいます。

不思議なのは、ぼくが13歳のころから読んでるこれを「難しすぎる」といって読まない人がいることです。そういう人は、きっと自分の知らないことを提示されると、反射的に「難しい」と思ってしまうのか、むりに全てを理解しようとして疲れてしまうのでしょう。これは全てを理解しなくてもいいんです。あくまで紹介文なのだから、楽しく雰囲気を味わえばいいのです。

日本では、他国に比べて日経サイエンス(もとはScientific American)の購読者数がとても少ないそうです。これは残念なことだとおもいます。研究者や技術者でも殆ど読んでいる人を見たことがありません。研究や学習のたこつぼ化を防ぐには、これほど良い本もないとおもうのだけど。。

欠点は値段が高いことです。で、一つ考えました。私個人か私の会社から10万円ほど拠出して、若者10人に一年間の購読をプレゼントするというプランです。読みたいけど高くて買えない若者の潜在読者はどれくらいいるのかなあ?

Posted by arai at 02:10 AM | Comments (9)

April 20, 2004

論文紹介: The Google File System

Radium Softwareでも紹介されたThe Google File System (GFS)の論文について、補足の解説を行います。日本ではまだ実際に論文を読んで解説を書いている記事はないようなので、少し論文のニュアンスが間違って伝わっているところがあるようです。

さて本論文では16ページにわたり、GFSの設計と実装について詳細に述べられています。やや長いけれど、分散ファイルシステムや大規模システムの構築に興味のある人は読んで損はないでしょう。ここではRadium Softwareなどで取り上げられなかったことを補足します。そちらの記事を読んでない方は、まず先に読んでから、こちらを読んでください。

GFSはシーケンシャルで大きな追記と読み込みに特化した設計をもち、細かいアクセスやランダムアクセスでは性能を発揮することができません。またスループットと信頼性は重視されますが、レイテンシは重視されません。バックエンドの作業用キューなどに使用するためにこのような設計になっています。ですから、GFSはGoogleのシステムの裏方の一部分でしかないのです。

検索エンジンのデータや、メールデータが直接にこのファイルシステムで扱われることはないでしょう。フロントエンドには、また別の分散データストレージが存在しているはずです。

GoogleにとってGFSは、ほんの一部でしかありません。GFSをそのようにとらえると、Googleでは膨大な技術リソースが費やされていることがわかります。日本の雇用環境では、このように大量の良質なエンジニアを投入してプロジェクトを動かすことは不可能でしょう。

こうした事実がわかるだけでも、大規模システムの設計について、普段は得られないような識見を得ることができます。もし時間があれば、ぜひ全体をじっくり読んでみることをお勧めします。

Posted by arai at 05:35 PM | Comments (0)

April 19, 2004

論文紹介: Laysia Palen [1]

一日数本のペースで論文を読みたいのですが、一日一本すらままならない今日この頃です。今日はUColorado Boulderの研究者Laysia PalenSocial, Individual & Technological Issues for Groupware Calendar Systemsをご紹介します。

この論文では、グループウェア上のカレンダーシステムの要件やユースケース、シナリオなどがケーススタディをまじえて分析されてます。特別に目新しいことが書いてあるわけではありませんが、グループウェア製作者なら読んでみてもいいでしょう。

Social, Individual & Technological Issues for Groupware Calender Systems
Leysia Palen

Palenは本論文で、Groupware Calender Systems(GCS)すなわちグループウェア上のカレンダーシステム(以下、カレンダー)の要件分析を行っている。分析は主にSun MicrosystemsのCalender Manager(CM)システムによるSun社内の事例をもとに行われた。カレンダーの要件は、1. 一人用カレンダー、2. 複数人のコミュニケーション、3. 社会技術的変化、の三つにわけて論じられる。

グループウェアの設計や配備にさいして留意することは、仕事習慣にあっていること、個別でも魅力的であること(critical massに達するまでも魅力的であること)。グループウェアの作成では、細かい初期設定が大きな意味をもつことに気をつける。"重装備"のごてごてした機能はあまり重要ではない。

1. 一人用カレンダー

紙のカレンダーには多様な種類(日めくり、週めくり、月めくりなど)と利用法がある。日にちと曜日の対応を確認するだけのものもあれば、膨大な書き込みスペースがあるカレンダーもある。機能は配置場所によってもかわり、個人の机におかれるもの、部署に張り出される予定表などがある。

カレンダーの機能: 曜日や日にちの確認, スケジュール管理, ログ記録(血圧など), 予定を思い出す, 議事録などの情報記録, 思い出すためのメモ記録(電話番号や人名など)。

調査の結果、繰り返し予定の入力と、リマインダー(音やダイアログやメールによる)が、紙のカレンダーよりも明らかに便利な点だとされた。とくに普段あまりカレンダーを使用しない人にとって魅力的である。

2. 複数人のコミュニケーション

カレンダーを互いに公開することで、コミュニケーションの機会が生まれる。相互評価や干渉(すなわち時間の使い方が同僚から評価されること)、打ち合わせの設定、所在と空き時間の把握、情報収集(打ち合わせの場所など)、組織の学習(カレンダーが組織の記録として働き、カレンダーを見るだけで組織について学ぶことができる)、同期(遠隔勤務などのスケジュール調整)。

カレンダーを公開するとプライバシが問題になりえる。カレンダーのプライバシーデータには、情報と時間の二種類のデータがある。情報については、医者の予約などの個人的秘密、社内の人事面接などの社会的秘密(同僚に影響を与える)、企業秘密を含む予定。時間については、時間の使い方について批判を受ける恐れと、時間の使い方について干渉される恐れがある。

プライバシを守る手法としては、アクセス制御(空き時間かどうかしか見せない、全く開示しないなど)、秘密の言葉を使う、そもそも入力しない、偽の予定を入力するなどの手法がある。

Sunには自分のカレンダーをオープンに開示するような相互関係と規範がある。

3. 社会技術的変化

新しい技術によって組織や人々の行動に変化がもたらされる。また人々や組織によって技術が作られ変化させられる。SunのCalender Managerは社内向けソフトウェアとして、社内の事情にあわせて作られたものが商業化された。ユーザの81%の人は、ソフトウェアのデフォルトであるカレンダーを公開する設定のまま利用している。逆に、MicrosoftのSchedule+のユーザでは、80%の人が空き時間だけを開示するデフォルト設定のまま利用している。これはソフトウェアの初期設定が社会的影響を与える例である。

会社が地理的に成長すると、カレンダーにはタイムゾーンを考慮する機能が付け加えられた。またSunの自由な勤務形態が、カレンダーの重要性を増した。誰でも他人のカレンダーを見られる設定であっても、プライバシの侵害による問題はわずかしか発生しなかった。

新井まとめ:
本論文は、すでにサイボーズなどの優れたスケジュール機能を利用している多くの日本企業にとっては、当たり前のことのようである。デフォルト設定が大きな影響を与えるというのは面白い点だ。

Posted by arai at 09:09 PM | Comments (0)

April 17, 2004

北九州の印象

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私の住んでいる小さな町、折尾でサルサパーティがありました。一軒家のスナックを借り切って行われたのですが、なかなか良い雰囲気で沢山踊れました。いろんな人が参加して、美人のお姉さんによるベリーダンスもあり、たいへん充実したパーティでした。

小さな町といっても、東京ですんでいた町よりもよほどいろんなものがそろうし、飲み屋などもずっと充実しています。JR九州がもうすこし安くて頻繁なら申し分のない土地なのですが。

福岡や北九州というのは東京とはまるで違う土地です。なんと初対面でもファーストネームで呼び合う!で、ぼくの家のあたりで外食をすると、なぜか配膳するときにテーブルにきちんと置かないんですね。なぜかお盆を手渡される。あと、やたら日本語力の低い店員さんが多いんですが、よく見ると日本人だったりして。

でも人は総じて温かくて親切だし、食べ物はおいしいし、わりと住みよいところです。サルサをやっても東京の女性よりも優しくて感じがいいです。東京だと私のようにへたっぴだと、なかなか肩身が狭いんですが... 人々の感情がゆたかで、人見知りしない感じは、東京よりもソウルに近いですね。

なかなか楽しいかも。研究生活は精神的にかなりきついので、まわりが良い雰囲気でよかったです。あ、でも治安は悪い。博多の繁華街とか、少年ギャングとかいて露骨に怖いです。

Posted by arai at 01:02 AM | Comments (4)

April 13, 2004

松田新平君を悼む

私にとって数少ない古くからの友人が亡くなった。彼と知り合ったのは7年前か8年前か。

彼はもともとASCII-NETの参加者で、すごく頑固で、他人の感情とかが良くわからない人であったけれども、同時に広い興味の対象や尽きせぬ好奇心などを持った人間でもありました。感情的で混乱した論客であった若い私にとって、数少ない友人であり、辛抱強い議論相手でした。

彼と友人と三人で大雪のニューヨークを旅行したことは、いまでもよく記憶に残っています。記録的な吹雪のあと、真っ白に染まったマンハッタンをざくざくと歩いたことは、7年も前なのに鮮明な印象です。

最近の彼は病気で混乱していて、2chやhatenaや多数のMLで錯乱した投稿をしていたりしたので、彼の名前を見聞きした人もいるかもしれませんね。さきほど彼の名前で検索したら、多くのページがひっかかって驚きました。こんなに有名だったとは知りませんでした。

もともと粘着質の性格ではあるのだけれど、色々な面白いことや人を見つけてくることができる人でした。人と変わったことを書いたりするけれど、べつに狂ったような書き込みをするわけではなかったのです。わりと面白い話ができるので、病気から立ち直らないかなあ、と思ってました。どうも彼の変わった性格と2chなどの狂ったところが悪く適合してしまったのでしょう。

もう一度いいますが、若いころの僕はほんとうに混乱していて、そうしたときに良き話し相手になってくれた唯一の人が松田新平君でした。わたしは心から感謝しています。大事なことを伝えるのって、どうしていつも遅すぎるんでしょうね..

それからも楽しく議論したり話したり遊んだりしていたのですが、このところ彼も調子が思わしくなく、そうした機会も減っていました。いつか回復するだろうと思っていたのですが.. 本当に残念なことです。どうか安らかにお眠りください。さようなら。

関連リンク:
切込隊長BLOG: 私と疎遠になってからは、こっちに出入りしてたんだなあ。なるほど。「全てのパンは横に切る」。なつかしいなあ。
DQN Diary

Posted by arai at 01:42 PM | Comments (4)

April 12, 2004

折尾へ転居しました

福岡県北九州市の小さなまち折尾に引越して、もう一週間以上がたちました。最初は田舎町で、学校も遠く、自転車だけでの生活を危ぶんでいましたが、電動自転車での通勤は思ったよりも快適で、よい運動になっています。東京よりも道が広く、歩車分離されているので、自転車も安全に走れます。

九州は人も暖かく、食べ物もおいしく、なかなかすみやすいところです。でも東急ハンズがないのには大きなショックを受けました。多様な靴墨や珈琲器具のようなものは、どこで調達すればいいんでしょう?? 自分の生活がいかに東急ハンズに依存していたかに驚かされます。

一人暮らしはなにかとお金がかかるので、頑張ってお金を稼いだり、節約したりしなくてはいけませんね。また、もう研究室にこもりきりで、家事などもありますし、なかなかblogを更新する暇がありません。まあ、ゆっくりやっていきます。

といいながらも土曜の夜は福岡のサルサクラブone wayにいってきました。常連さんにとても親切にしてもらい、楽しく過ごすことができました。もっと練習してうまくならなくちゃと思います。

日曜の朝は研究室のみんなで釣りに行きました。指導教官が2匹をつっただけで、あとはゼロでした。そのうえ帽子をかぶっていなかったので、思いっきり日焼けしてしまい、悲惨なことになっています。みなさん海の日差しには気をつけましょう。

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こちらは研究室の様子です。普通の日本のオフィスより広い机があるので、わりと快適に仕事できます。TAなどの関係でとりあえず読む本が三冊ありますが、みんな英語だし分厚い。なかなか手ごわいです。

これまで深く研究してない専門のPh.D.に進むというのは我ながらリスキーだなあと思います。やりたいことはいっぱいあるけど、どれが論文になるテーマなのかがさっぱりわかりません。ネットワーク関連でネタやテーマをさがしてます...

Posted by arai at 12:03 AM | Comments (4)