February 23, 2005

おすすめ書籍 (建築構造史)

橋の文化史―桁からアーチへ

名著。欧州にある実在の歴史的な橋を検証しながら、建築構造、土木工学の進化を追いかける本です。橋の建築にまつわる社会環境や文化史なども詳細に取り上げられています。人はなぜ、どうやって橋を建築したのか、誰が作ったのか。建築に際してどんな議論や制約があったのか。

建築構造に興味のある人だけでなく、エンジニアリング全般に興味のある人にとってお勧めできます。また工学に全く興味のない人でも、優れた文化史の本として楽しむことができます。欧州旅行の参考書としてもいいんじゃないでしょうか、気分が盛り上がります。

理系、文系、どなたでも楽しめる素晴らしい名著といってもいいでしょう。

建物が壊れる理由―構造の崩壊 その真相にせまる

私は原書のWhy Buildings Fall Down: How Structures Failで読みましたが、分かりやすく明快な筆致が魅力的です。力学などが中心となっているので、建物の構造そのものに興味がある人、または建物崩壊のエピソードに興味がある人にお勧めです。

建物をまつわる「人」のエピソードはあまりでてきません。Empire State Buildingに飛行機が突っ込んだエピソードなど、興味深いエピソードが各章にでてきます。気楽に面白く読める本です。

橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学

この三冊のなかで、最も読みにくい本です。ペトロスキーではフォークの歯はなぜ四本になったか―実用品の進化論などは、読みやすく面白いエピソードに富んだ本で、私も大好きです。

本書はそれにくらべると、翻訳が悪いのか、ぎこちない箇所が目立ちます。また論説自体も教条的で、工学方法論のお話となっています。「なぜ失敗したのか」という一つのテーマを延々と書いているので、詳細ではあるけれど冗長で退屈です。技術者としては参考になる本ですが、技術者以外の方にはお勧めしません。

先のエントリで挙げたソフトウェア工学の方法論とも似ている部分があります。しかし、普通に読むならば、もっと網羅的な入門書から読みたいところです。

・おまけ

石のアーチ橋はなぜ落ちない - 科学技術振興機構

Posted by arai at 10:01 AM | Comments (2)

February 23, 2005

ソフトウェア技術者という呼称

ソフトウェア技術者連盟という名前はわりと安易に考えたものではありますが、それなりにしっくりくる名称だと思います。しかし、こうしてしまうとハードウェアやネットワークの技術者が排除されるような印象を与えるのは問題です。社会の今後を考えるにあたり、ハードウェアやネットワークも避けては通れない領域です。

米国の学会ではACM (Association for Computing Machinery)やIEEE Computer Societyなどコンピュータという名称を使っています。しかし日本語でコンピュータとすると、いまいち馴染みの悪いしっくりこない感じになってしまうのですよね。

またコンピュータ技術者として幅広い分野に知見を持ち、専門家として活動していく人たちをなんと呼称すればよいのか。医療では臨床家といい、法律では実務家、建築では建築家といいますが、コンピュータの世界では、それにあたる呼称がありません。

Steve McConnellの著書「ソフトウェア開発プロフェッショナル」では、認定技術者資格などをつくり、一部の業務を免許制にすることを提唱しています。それも一つの方向性かもしれません。

McConnellの唱えるプロフェッショナルはソフトウェア工学・プロジェクト管理に偏っており、建築で言うなら施工管理が中心のような世界です。要素技術について触れられないのには、少しびっくりさせられます。たしかにソフトウェアのように変化の激しい世界では、そのほうが効率的なのかもしれませんが、それなら建築業界から施工管理屋さんを引き抜けばすむのではないかとも思われますね:p

ともあれ、ソフトウェア工学はなかなか浸透しないのが現実です。私も学ばなければとは思いつつ、少人数のプロジェクトが中心ですから、あまり必要性を感じていないのも事実です。大人数のシステム開発を指揮するよりも、少人数の先進的なプロジェクトを遂行するほうに魅力を感じてしまうのは、人間の性質なのでしょうか?

Posted by arai at 08:30 AM | Comments (0)

February 19, 2005

技術者蔑視の風潮

ある人と話をしていたら、その人が技術者やプログラマを露骨に見下した発言をするので、心から怒りを覚えてしまいました。新しい商品を開発するのは誰にでもできることで、プログラムは所詮発注するものだそうです。「私はプログラマだけにはなりたくない」とも。

私は技術者の家系に育ち(曽祖父は水力発電所の技術者で工学博士でした、祖父は鉄道車両の技術者をしていました)、そして技術者のコミュニティで学び、生きてきたので、このような発言をする人に出会ったことがありませんでした。技術者であることに強い誇りを抱いてきました。

ですので、生まれて初めて、祖母が「日本では技術者を低く見るのが悔しくて」と言っていた意味を心から理解することができました。

研究して論文を書くのは偉くても、実装して動かすことには何の価値もないと。なぜ日本のソフトウェア業界にはこのような考え方がまかり通るのでしょうね? ScienceとEngineeringは車輪の両輪であって、両方がかみ合ってこそ意味があるのに。

悲しくなってしまいました。けれど、こういう風潮があるのなら、「ソフトウェア技術者連盟」を立ち上げる意義があるというものです。立ち上がって、世の中を変えてやろうじゃありませんか。

Posted by arai at 05:23 PM | Comments (4)

February 17, 2005

ソフトウェア技術者連盟 (企画中)

freekaneko.comの教訓をもとに、ソフトウェア技術者の互助会であるソフトウェア技術者連盟を設立しようと奔走しています。現在は設立準備委員会をつくり、NPO法人設立の準備をしています。ただ、内容もまだまだ準備中ですので、正式なアナウンスは先のことになりそうです。

既存の団体であるソフトウェア技術者協会(SEA)情報処理学会などとは、かなり毛色の違う団体を目指しています。主な活動予定は

1. 技術者の労働環境、生活環境の向上
2. 技術者向けの法律相談
3. 技術者の交流支援
4. 技術者による社会貢献活動、提言活動

などとなります。企業で働くエンジニアや、中小企業経営、自営業の方にとって、実際に役立つような団体になれば最高ですね。学者や専門家中心である既存の団体や、業界団体、外郭団体などとは、うまく棲み分けができるのではないかと思っています。

また技術者らしい「慎重さ」「寡黙さ」からは一線を画し、ちょっと騒がしいくらいに活動できれば良いのですが。社会的・政治的問題についても発言をしていきたいところです。

ご興味のある方はご連絡ください。

さて、金子支援口座が復活しまして、月曜日に記帳した段階で、8件118682円が集まりました。ありがとうございます。ただ、本格的に公表する前に、経理などの会計処理方式をもう少し明確化したいと思っていますので、口座番号などは少々お待ちください。

Posted by arai at 04:00 AM | Comments (4)

February 03, 2005

マグカップの情報求む

P1010098.JPG
内側と上部にだけ釉薬のかかった渦巻き模様マグカップ。
素焼きっぽいところがお気に入りです。うずまきー。

この壊れたマグカップを作った作家さんを知りませんか。
同じ人のマグカップを買いたいのですが、名前が分かりません。
とても気に入ってたマグなので、壊れてとても悲しいです。
(2000年頃?恵比寿の三越で買いました。三越に聞いてみるか。)

追記: 三越に問い合わせたら、すぐ分かりました。素晴らしい。
常滑の加藤勢季子さんという方だそうです。同じようなものがあるか
わかりませんが、後継者のマグを売ってもらわなくちゃ。

他にもセンスのいいマグカップの情報があったら教えてください。
私のほかのお気に入りは、barney's newyorkで売っていたborn chinaのマグ。
(挫折禁止はもってます。。。)

Posted by arai at 11:12 AM | Comments (2)